【作品紹介】フェイシズ

2013年10月11日 11:27
こんにちは。
技術部・企画選定部3年の成田友里恵です。
 
近頃、いよいよ朝晩が冷え込むようになってきましたね。
今年も秋が来たなあと、しみじみと感じています。
 
今回は、CLARK THEATER 2013の長編プログラムの一つである『フェイシズ』について紹介します。
 
監督は、ジョン・カサヴェテス。
カサヴェテス・・・、めずらしいお名前ですね。ギリシャ系の姓だそうです。
他の作品には『アメリカの影』『ラヴ・ストリームス』などがあり、
多くの映画を自主制作したことから、「インディペンデント映画の父」などとも言われています。
また、今年の2月下旬にはシアターキノで特集上映が行われていたので、
そこで名前を目にしたという方もいらっしゃるのではないかと思います。
 
簡単なあらすじを紹介すると、
主役となるのはリチャードとマリアのアメリカ人夫婦です。
結婚後14年が過ぎ、関係の破綻しかけたこの夫婦ですが、
ついにある日、互いに別々の夜を過ごします・・・。
 
この作品の特徴は、まず何と言っても、
“Faces”というタイトルの通り、「顔」のクローズアップが非常に多いことだと思います。
実に一貫して「顔」を映し続けています。そのような映画は、なかなかありませんよね。
「顔」に注目して映画を撮ると、さて一体どうなるのでしょうか・・・?
(ぜひ劇場でお確かめください・・・!)
 
また、役者の動きや表情に応じて、カメラが大変よく動きます。
その奔放さに、はじめは驚く方もいるかもしれません。
私もはじめは正直落ち着かないなと思いましたが、
慣れてくると、この作品の自由さとして楽しめるようになりました。
 
友人たちとにぎやかに談笑していたはずが、ふと気付くと無表情で別のことを考えていた・・・。
平和なはずの会話の合間で、いつも温厚なあの子が一瞬顔をしかめるのを見てしまった・・・。
この作品を観て、私はそんな経験を思い出しました。
人と人の「隙間」、孤独について考えました。
静かなラストシーンが、とても印象に残っています。
 
上映は全二回で、
・11月1日(金) 10:45~12:55
・11月4日(月) 10:00~12:10 の予定です。
この機会に、ぜひ大きなスクリーンでご覧ください。
スタッフ一同、お待ちしております。
 
それでは、失礼いたします。

【作品紹介】トウキョウソナタ

2013年10月4日 20:11

こんにちは。作品選定班&制作部の藤川です。

今回はCLARK THEATER 2013長編プログラムの1つ『トウキョウソナタ』を紹介したいと思います。
2008年に日本・オランダ・香港の合作として作られたこの作品、監督は『リアル 完全なる首長竜の日』などの黒沢清で、2008年の第61回カンヌ映画祭では、「ある視点」部門審査員賞を受賞しています。

内容としてはトウキョウのある線路沿いに住む平凡な家庭の佐々木家。サラリーマンの父に専業主婦の母、バイトに明け暮れる長男と小学生の次男。このまま続いていくはずだった毎日は、それぞれが持つちょっとした秘密から壊れていってしまう。家族の崩壊とその先にあるかすかな希望を描く人間ドラマ。
といった感じです。

この作品の見どころは何といっても豪華なキャスト!最近話題の香川照之に小泉今日子、役所広司まで出ちゃいます。
個人的には役所広司の役が一番好きですね。やってることは悪いことなんだけどどこかぬけていて憎めない、暗い物語の中の道化的役割なのに意外と見ている人の心に語り掛けてくる。要するに自分の中では彼が出てくるところがクライマックスでした。

あとは見終わった後にも残る問いかけです。
家族とは何なのか。血がつながっているだけ、同じ家に住んでいるだけの他人なのか。
幼児虐待とか離婚率の上昇とかそんな話題が飛び交う現代。家族について考えるきっかけとなると思います。

最後になりましたが『トウキョウソナタ』の上映は、
・11月2日(土) 15:00~16:59
・11月3日(日)  9:00~10:59
となっています。

CLARK THEATER 2013で見て、家族について自分なりの答えを考えてみてはいかがでしょうか。
当日会場でお待ちしております。

SAPPORO SHORT FEST presents 国内外短編映画

2013年10月3日 10:25

SAPPORO SHORT FESTは、9月に札幌市内で行われた札幌国際短編映画祭の通称で、開催に当たっては世界中から短編映画(1~約30分)が募集されます。CLARK THEATER 2013では、その中からメンバーが選んだ11作品を上映いたします。様々な作風のものがありますので、楽しんでいただけるプログラムになっていると思います!
 
その中でも個人的に気になったのは『ウィリー・ウィンキー』という作品。とても不思議なお話で、正直一回見ただけではよく理解できないのですが、見終わった後に非常に印象に残る作品です。タマゴに注目。

 短編映画と聞いて、どんなものかいまいちピンと来ない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、短編映画には短い時間だからこそ出来る表現がなされていて、長編映画とは違った魅力があります。ふつうの映画館では上映されることはあまりないので、ぜひこの機会にご覧になってみてはいかがでしょうか。